<3年近くに及ぶいじめ>
1)勤務時間終了後も遊びにつき合わせる。
2)いじめ行為者(Y1)の仕事が終了するまで帰宅を許さず、残業や休日出勤を強要。
3)Y1の家の掃除、車の洗車、長男の世話、風俗店に行く際の送迎(駐車場で待たせる)など家事や私用に使用。
4)Aが恋人とデート中であるにもかかわらず用事もないのに呼び出す。AがY2に到着してもY1はいなかった。
5)職員旅行の際、飲食代88,000円を負担させたほか、Aに好意を寄せる女性職員と性的な行為をさせ、それを撮影しようとした。
6)仕事中に「死ねよ」と言ったり、「殺す」とのメールを送信。
7)ウーロン茶1缶を3,000円で買わせる。
等々、からかい、嘲笑、悪口、他人の前で恥辱・屈辱を与える、たたくなどの暴力等。
・上記は、悪ふざけといったちょっとしたいじめの限度を超越した言動であり、執拗・長期間にわたってなされ、平成13年後半からはその態様も悪質になっている。平成13年12月ころからはAに対し「死ねよ」と死を直接連想させる言葉を浴びせている。また、Aも恋人に対し自分が死んだ時のことを話題にしたり、当該Y1らのいじめ以外にAが自殺を図る様な原因が見当たらないことからすると、本件自殺といじめの間には相当因果関係が認められる、としてY1の不法行為を認めた。
また、使用者である病院についても、安全配慮義務違反に基づく債務不履行責任を認めています。但し、病院が自殺の予見が可能であったとまでは認めがたく、いじめを防止できなかったことによってAが被った損害について賠償する責任があるが、死亡したことによる損害については賠償責任がない、と判断されました。
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